副腎白質ジストロフィー(ALD)によって夭折した、中澤系さんの歌集です。
もし短歌に対して、おじいちゃんが趣味でやるもの、みたいなイメージをもっている人がいたら、そのイメージをアップデートする為に最適な一冊。スタイリッシュで硬質。冷たい刃物のような現実を突きつける現代短歌。すごくかっこいいです。
3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって
糖衣がけだった飲み込むべきだった口に含んでいたばっかりに
こんなにも人が好きだよ くらがりに針のようなる光は射して
いや死だよぼくたちの手に渡されたものはたしかに癒しではなく ぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわれてしまったぼくたちはこわ システムに絡み取られた現代に生きる中での緊張感、格闘、一握りの希望を叫んだ作品。