遅ればせながら、伝統的な和紙の技法を用いながら、絵本やオブジェの制作をする、にしむらあきこさんの作品も入荷しています。
工芸と詩の融合した、魅力的で唯一無二の活動をする作家さんです。一部、ご紹介出来ればと思います。
『ねこの国』
表紙には猫の形に梳かれた和紙。
するり後頭部
ひらひらお耳
べつに?
いいたげな
冷めた瞳
など、猫好きにはあるある。でありながらただの可愛がりだけではなくて、深い慈愛や喜び、命の美しさを語る言葉とイメージを、和紙の形と色で表現しています。
『糸片』
和紙造形制作の下絵を活版で印刷。
子どもから年老いるまでの女性の一生を辿ります。
プール帰りの夏の道
耳がぷかぷかして
肌に触れる空気がにせものみたいで
からだがゆらゆらゆれて
紺色の水着がなまぬるくて重くて
全てが遠くて
泣きながら帰る
「プール」より
厚手の紙で出来ているので、飾ることや、ギフトカードで送ることも出来ます。
『きこえる?』
こちらは、詩の収められた一冊。
きこえる?という入口から、命の不思議、奥行きに触れるようなイメージに、和紙で作られた形が踊ります。
奥行きのある言葉に和紙でしか出せないテクスチャが、深みを与えてくれる一冊です。
『オノマトペのうた』
『きこえる?』と同じ体裁でありながら、こちらは絵本のような内容です。
ぽっかり
うかぶ空の上
チチチチ チチチ
鳥の声
など、リズムや遊び心に満ちた作品で、テクスチャや色、形そのものを音楽のように楽しむ事ができます!
お子さま向けの絵本にも、BGMのように、身近に置いておきたい一冊です。
その他、『かみさま』、『耳』、『たどる』、『げっぷのうた/ねんねの森』
も、詩と工芸、リズムが一体となった本です。
『耳』
男の耳にはたんまり と砂がつまっていた
歩くたびにさはさらと耳から砂をまく。
時には私のほほをかすめるときもある。
など、不思議なお話も。
本の丁寧な作り、質感や色味は、是非、直接ご覧戴きたいです!